2009年02月20日

なぜカレーのチェーン展開は難しいのか 〜ココイチの戦略〜

昔から思っていたことがある。「カレー屋は儲かるのではないか?」と。なぜなら、生産効率がとても良いからだ。作りおきが出来るので、オーダーの度に一から作る必要がない。よって、日々のオペレーションにおいてはそれほどのスキルを必要としない。

家で作っていてもそう思う。一回大量に作れば3日くらいはいける。さらにカレーは国民食と言っても良いほどの人気ぶりだ。カレーがキライという人を見たことはコレまでの人生にいない。

よって、カレーはチェーン展開にもってこいなのではないか、と思っていた。しかし、見てみればカレーチェーンといえばココイチくらいで、他にはそこまで大きいところはない。価格もそこまで安くない。なぜなのか。もっと牛丼なみのチェーン店があってもよいはずだ。しかし、ない。

実はそこには、カレーの生産効率の高さと相反する特性があったのである。

・家のカレーと何が違うんだ問題
カレーはそのあまりに高い日常性ゆえ、家で作られ、食べられる。カレー曜日なる曜日が出来るほど、家庭料理のレパートリーにレギュラーとして組み込まれている。そして、家のカレーも十分にうまい。こうなってくると、外でわざわざ金払って食べるものでもないのではないか?という感覚は、あって不思議ではない。

・カレーは趣向性が高く、客層が絞られる問題
家で食べる以外にもカレーはたくさんある。一説によると、カレーというのはラーメンと同じ様に、趣向性が高いものだという。そして、その趣向性の高さ故、客層が絞り込まれていくものだと言う。

国民食としてのカレー、趣向品してのカレー。カレーが持つこの2つの顔が、カレー屋を悩ませる。

ここで我々には2つの選択肢がある。

1:家のカレーとは違うカレーを作る
2:家のカレーよりも安いコストでカレーを提供する

「1」はオリジナリティあふれる「家とは違うカレー」を提供することになる。趣向性高さに対応するためである。1店舗で展開するのであれば、この方が良いだろう。しかしそれをチェーン展開していく段階で質の悪化を招く危険性がある。ラーメン屋がチェーンになって味が落ちるというのはよくある話だ。

「2」はコンビニ化である。安く、早く、便利に食べられることで、学生や独身など「家でカレーを作るのはめんどくさい」人たちのカレー曜日を提供するのである。利便性を追求するためには、効率的にオペレーションを行う必要がある。よって味もサービスもある程度で落ち着くことになる。よって、差別化が難しい。また、この客層に対して競合となるのは牛丼チェーンやマクドナルドなどだ。価格競争は非常にヘビーなものになる。


成功したココイチは1,2のどちらでもない。間をとった、とでも言うべきなのだろうか。ココイチのカレー自体はシンプルだ。おそらくある程度の効率を重視して作られている。しかしココイチはそこだけで勝負していない。カレーにおける趣向性の高さを、その「カスタマイズ性」で担保している。

ココイチの辛さレベルやトッピングの豊富さは群を抜いている。ベースはシンプルだけど、カスタマイズで自分好みのカレーに出来る。それがココイチの強みだ。それを担保しているのは、現場の人材教育だと言う。

チェーン展開を成功させるには、サービスレベルを一定に保つ必要がある。それをオペレーションの効率化だけではなく、カスタマイズ性を重視し、それを実現させる現場の人間に対する教育の重視という面からも行い、趣向の高い客層のニーズの多様性に対応した点が、ココイチをここまで大きくしたのだという。


以上、ゴーゴーカレーで見た雑誌から得た知識でした。
posted by kohey at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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